iPadについて

iPadの発表から一週間がたって、様々な意見が出ているので自分も書いてみる。

まず、JobsはiPadiPhoneMacBookの間の市場に投入すると言っている。つまり、iPhone以上、MacBook以下の市場である。本当にそんな市場が存在するのだろうか?

iPhoneではちょっと小さすぎるが、MacBookでは大きすぎるというのはiBookぐらいだと思う。iWorkMacBookの方が明らかに使いやすいだろう。一方Gameをするのであれば、iPhoneぐらいの大きさの方がやりやすいと思う。したがって、iPhone以上、MacBook以下の市場で見るとiBookぐらいだと思う。そのiBookも日本の通勤事情、つまり電車の中で広げるにはiPadでは大きすぎると思う。

じゃあ結論としてiPadは必要ないのか?iPadはまったく売れないのか?というとそうは思わない。それは、マルチタッチのインタフェースに大きな可能性を感じるからだ。ハードウェアキーボードとマウスを使って画面を操作するというパーソナルコンピュータのスタイルは20年ぐらい変わっていない。ITの現場ではこの間インターネットや電子メールなど企業のワークスタイルを大きく変えるイノベーションがおきているにもかかわらず、端末はほとんど変化していないのである。iPadはそういった期待感がある。

iPadをNoteBookと同じ市場に持っていくにはいくつかのハードルがあると思う。多くのアナリストはiPhone OSがバックグランドプロセスの実行を許可していないことに大きな不満を感じているようだ。しかし、バックグランドプロセスの実行を許容するには、バッテリーライフ、CPUパワー、メモリ容量、ディスク容量の技術がもっと成熟する必要がある。例えばバックグランドプロセスを実行すると、Swapのエリアが必要になる。十分なメモリを搭載できれば問題はないが、そなるとサイズも大きくなるし、また値段も高くなる。一方Swapエリアを作ることになると、32GBや64GBよりもっと大きなサイズのディスク容量が欲しくなると思う。しかし、フラッシュメモリはまだ高価であるため、$700というプライスでの販売はできない。かといって、従来の安いディスクであれば、バッテリーライフが短くなる。おそらく今のiPadはコストとスペックのバランスを考えるとぎりぎりの選択なのだろう。

一方で妥協をしなかったのは、iPhoneで作り上げたクラウドのインフラを利用するということである。iPadは他のnoteBookには見られないネットワークでつながっており、iTune Storeから音楽、アプリケーション、電子書籍を直接購入できるという大きなメリットがある。JobsはiTune Storeというもっとも有利なインフラをiPadにつなげることを忘れなかった
よく、iPadを他のタブレットPCと同じに扱う人がいるが、それは大間違いだ。他のタブレットPCにはiTune Storeが存在しない。iTune Storeに対抗しえるのは、GoogleAndroid marketplaceとAmazonKindle Storeぐらいだろう。
iPadはやっぱり、noteBook、netbookと競合するのだろう。そして、「イノベーションのソリューション」にある様に、iPhoneMacBookの間の市場から入って行って、最終的にはnoteBookの市場を抑えてしまう。これが、成功のシナリオなんだろうな。