BeaconIT Forum

11月5日、弊社ビーコンITのフォーラムが開催された。大変内容の濃い話であった。

Keynoteは元産業再生機構COOの冨山さんである。

多くの参加者が私と同じような印象を語っていたが、話を聞くまえは、冨山さんはもっとドライな人だと思っていた。が、わりと人間味のある人で、企業再生には情と理のバランスが重要であると。情に流されすぎて、対応が遅れれば致命的であるが、そうかといって、MBAかぶれしたコンサルタントがいうように、簡単に人をバツサリと斬り捨ててもうまくいかない。その2つのどちらかに答えがあるのではなく、その両方をキッチリ対応する事が重要であると。
そして最後は人間個人である。優秀な人が多くいる会社が優位にたつ。
今の金融危機で日本は優位にたっているがあくまでもこれは一時的なこと。2,3年すれば筋肉質になった欧米が復活して日本よりも強くなるだろう。いまこそ日本企業は人を活かして、独自性を出すことを考えるべきである。

また、第2部では、日本を代表する会社のCIOによるパネルディスカッションである。カシオ計算機の矢澤さん、ソニー生命の嶋岡さんそして、AGFの西川さん。モデレータはBeaconiTの社外取締役でもあるが、米国のIT事情に詳しいインタービジネスコーポレーションの野口さんである。3名は日本を代表するCIOだ。テーマはトップCIOが語る3大チャレンジ。


3名が話していた内容は、まずビジネスの変化に対応出来る、柔軟なITアーキテクチャだ。嶋岡氏曰く、ITと業務改革はきっても切り離せないものであるが、その業務改革は社内から社外へと広がっている。西川氏は会社を超えたシステムが作れるようなITアーキテクチャが必要だ。矢澤氏も柔軟なシステムを目指してSOAに注目し、3年まえから取り組んできており現在では業務システムの開発が出来るまでになった。

2つ目のディスカッションは人材育成だ。モデレータの野口氏からは「部下は育成するのではなく、とっ変えた方がいい」という意見もあるが…とツッコミがはいる。嶋岡氏曰く、日本ではそもそもIT技術者自体が不足している。社会的責任も考えてIT技術者を育てていくべきだ。
西川氏は、AGFは終身雇用を約束している企業であるため、とっ変えるという考え方はしない。
一方矢澤氏は、カシオ計算機のシステム部は業務開発部という名称であり、IT部門は、技術的な事だけをやっていればいいということではない。業務を全社に見る事ができるのは、企画部門とIT部門だけなのだから、IT部門はもっと全社の業務開発や改革にあたまをつっこむべきだ。そういった人材の育成がひつようだ。

非常に有意義な一日であった。