OracleがSUN setする日
OracleのSUN買収劇はなにかと話題になっている。
「シリコンバレーの代表であったSUNがなくなるのは寂しい」
「IBMよりもOracleの方がよかった。文化も近しいうまくいく」
「Oracleは今までも買収はうまくいっていない。今回も失敗するにちがいない」
と様々な声を聞く。
今回の買収劇のポイントはもちろんOracleがハードウェアを持つというところにある。本当にOracleはハードウェアを持つ必要があったのだろうか?
Oracleと言えばデータベースの会社である。これは誰もが認めることで、疑う余地はない。それではデータベースの会社が何故ハードウェアを必要としたのか?
まず、考えられるのは性能である。最近OracleはHPと協力してアプライアンスをリリースした。ソフトウェアだけではなくハードウェアも一緒に開発することで性能をアップすることが出来る。しかし、この理由だと、HPとのプロジェクトで上手くいっているのであれば、Sunを買収までする必要はない。
もう一つの理由は、クラウドコンピューティングだ。Oracleは明確なクラウドコンピューティングの戦略を発表していない。
Google、Amazon、Microsoft、IBMがクラウドの戦略を発表する中、インパクトのある打出しが必要だ。
Solaris上にOracleデータベースとWebLogicをのせてPaaS(Platform as a Service)を実現すれば、それなりのインパクトがあるかもしれない。しかし、IBMと真っ向からぶつかることになる。
この仮説が実現されるためには、Oracleはデータセンターの確保が必要となる。つぎはデータセンターの買収をするのだろうか?
また、Oracleにしても、Sunにしても、クラウドで直接顧客にPaaSとして販売するとなると、現在のビジネスモデルとは全くことなったモデルを確立しなければならない。もしかして、代理店からの反発を覚悟しなければならないかもしれない。
Oracleは自分たちが築いてきたソフトウェアのビジネスモデルを捨て、Sunから買収したハードウェアのビジネスモデルを捨て、そして新たなクラウドというビジネスモデルを確立する事ができるのだろうか?それが出来た時に、今回の買収劇が成功したと言えるのであれば、
「Oracle(データベースビジネス)がSUN setする日」
が来るということなのか?